なにもない空間に灰皿がポツンと立っている。シーンと静まり返った空間。

鏡に映る椅子。風呂場に椅子。 廃墟では不自然が自然な空間。

温泉街の外れにある一見何の変哲もない建物。だが中を見るとその長い時間が 経過している事がよくわかる。建物の廃れはそうでもないが、残っているものをよく 見ると、今ではリサイクル屋でも見られないレトロなものがある。 生活に余裕が出来始めた昭和30年代〜40年代、こうした国内旅行がブームになり 各地の温泉地が賑わいを見せていた。 昭和50年代後半、海外旅行が一般的になり始め、旅行人気はハワイやアメリカ西海岸へと移っていった。 栄枯盛衰、一時廃れていた国内の温泉地も、今は少しずつ人気を集め始めている。 （現在、この場所には新しい温泉施設が建てられている）

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